小学生の高学年ともなると夏休みの自由研究には、今迄とはひと味違うことに取り組みたい気持ちになるかと思います。男の子ならば、昆虫の観察であったり、飛行機をつくってみたり、女の子ならば、女の子らしく普段身に付けるものをつくってみたい、と思い立つのではないでしょうか。そんな女の子にピッタリの自由研究をご紹介します。皆さん「草木染め」という言葉を聞いたことや、実際に見たことはありますか?。草木染めとは、外に生えている植物の汁で布地を染めることです。植物の種類によっても、染まる色が変わることが特徴です。しかも、この草木染めは自由研究としては、比較的手軽におこなえるものとされています。何をするか悩む自由権けんきゅではなく、思い出に残る夏休みの自由研究をしちゃいましょう。
■研究の日数はどれくらいか?
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実際に草木染めを自由研究として取り組むとなると、どれくらいの日数が必要なのか。せっかくの夏休みです。出来るならば自由研究をおこなう日数を少なくしたい!と思うのが、正直な気持ちです。そうした思いに応えられように、草木染めの自由研究は1日あれば十分におこなえます。植物を用意しなければならないので、その分の時間は必要となりますが、実際に染める作業については1日でおこなえると思ってください。
■用意するものは?
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実際に用意するものです。①植物。これがなければ始まりません。黄色や赤色の花が必要となります。②綿素材とナイロンなど化学繊維の布、③焼きミョウバン、④ボウル、⑤なべ、⑥さいばし、⑦三角コーナー用のゴミ袋、⑧輪ゴム、⑨計量スプーンとなります。植物については、外に生えているものを見つけるのが難しければ、花屋さんで購入してもオッケーです。聞き慣れない焼きミョウバンについては、家の人に相談することをおススメします。家に無ければ、スーパーの漬物売り場などにあるかと思います。その他の物については、家に無くても100均で揃えることができるかと思います。
■どんな手順ですすめる?
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実験①
最初に染める液体(以下、染色液)をつくっていきます。黄色の花、赤色の花をつみ取って、軽く洗います。洗った後はつみ取った花のそれぞれを三角コーナー用のゴミ袋に入れ、輪ゴムで止めておきます。次になべに水500mlを入れてガスに火をつけます。沸騰したら先程の輪ゴムで止めておいたゴミ袋を投入し、20分程煮詰めていくことで染色液ができます。同時に染める布の用意もしていきます。白い綿の布、ナイロンなどの化学繊維の布を4枚ずつ10cm×10cmの大きさに切り、ぬるま湯にひたしておきます。染色液と布の準備ができれば、いよいよ染めていきます。先程の染色液をなべに入れ、布も投入した上で3分間程弱火で煮ていきます。3分経ったら染色液と布を取り出し、ボウルに入れておき、冷めたら水で洗い、干せば完成です。
実験②
草木染めを調べるために、もうひとつ方法があります。先程の染色剤だけでは、洗ったり陽の光を浴びただけで色落ちしてしまうので、布にしっかり色を染み込ませるために媒染剤というもので再度布を染めていきます。媒染剤は染色液に焼きミョウバンを小さじ1/2加え、とかすことでつくれます。この媒染剤を使い、実験①と同じように白い綿の布、ナイロンなど化学繊維の布10cm×10cmを4枚ずつ煮つめていき、3分経ったら媒染剤と布を取り出し、ボウルに移し、冷めたら水で洗い、干して完成です。
■気をつけるポイント、失敗しないポイント、コツ
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使用するなべについては、ステンレス製かホーロー製のものに限ります。銅や鉄、アルミ製の鍋は化学反応を起こしてしまう恐れがあり、上手く染めることができないので、家の鍋が何製なのかはあらかじめ確認してください。また、布を染める際にはしっかりとさいばしで混ぜましょう。混ぜなければ、染めの具合がムラになってしまうことがあります。きれいに染まるように、さいばしを使って混ぜていきましょう。
他に、気を付けることとして、熱くなったなべで染色液をつくったり、布を染めたりする際に身体にかかってやけどしないようにしましょう。また、染色液や媒染剤をなべに入れるので、なべに色がついてしまう恐れもあります。実験をおこなう際には前もって家の人に伝えておきましょう。
実験の記録がうまくいくように、どの布を実験①、実験②、どちらで使用したのかわかりやすくできるように、あらかじめ布の端っこに油性のマジックで目印をつけておくことがポイントです。また、もし撮影できるカメラがあるならば、実験途中の布が染まる様子を写真におさめておけば、記録する際にとても有効になるのでおススメです。
■実際のレポートの実例を紹介
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では草木染めのレポートをどのように書いたら良いのか、その例をご紹介します。まず草木染めを調べようと思ったきっかけをしっかり載せましょう。また、染色剤による染まり方と、媒染剤として焼きミョウバンを使った際の染まり方の違いについても、実験でおこなったことも忘れずに書きましょう。使用した用品についてもすべて書きます。黄色の花や赤い花が何の種類なのか、書いておくこともアリです。
その上でレポートの要となる実験①、実験②の方法と結果について記録します。初めて見た人でもわかるように、実験の方法については詳しく書くことが大事になります。また、実験①であれば「花を煮て染色液をつくり、綿とナイロンなど化学繊維の染まり方を調べた」という表題、実験②ならば「染色液に媒染剤として、焼きミョウバンを加えた際の色の変化を調べた」という表題を掲げることも重要になります。方法はイラストを描くことが得意な人であれば、イラストで載せても良いです。文字をただ書いてるだけのレポートでは、見ている人も面白味がないかと思います。要所でイラストや写真を入れることで、見ている人に楽しんでもらえることが期待できます。そうした点でも染めた布については、出来れば写真を残すことをおススメいたします。
実験について書いた後は、その結果をまとめとして書きます。草木染めについては、染まり方を調べること、染色液と媒染剤との色の変化の違い、と目的がはっきりしているので、その結果をまとめに載せましょう。
レポートの最後は感想を書きます。草木染めをおこなって、何を感じたのか素直な想いを記します。草木染めをおこなった上で学べたことも忘れずに書きましょう。また、草木染めの仕組みがわかった上で、今度はその染める方法を使って何か身に付けるものをつくりたい、といった目標を書くことで感想がグッとしていきます。
このように草木染めについての自由研究は、染まり方を調べるには1日あれば終わりますが、それをまとめる内容は盛り沢山です。良いレポートに仕上げるためには、ていねいに記録することが求められます。レポートを仕上げる時間も十分につくっておくことがポイントです。
草木染めの衣服、ハンカチやコースターなどの小物は味わいがあります。小学生の頃から、奥深い草木染めについて知ることができることは貴重な機会です。また、自分のため、家族のために草木染めで作った物をプレゼントすることも素敵です。色々な形で楽しみ、学ぶことのできる草木染めを夏休みの自由研究にすることをおススメいたします。